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返さなくてよくなる「自己破産」

「任意整理」によって借金を返すことができない、と判断した場合には、まず「自己破産」を検討します。「自己破産」とは、その方の財産や収入を考慮して、継続してすべての借金を支払うことができない状態に至ったこと(これを「支払不能」と言います)を裁判所に認めてもらい、高価な財産があればそれを換価して、平等にすべての債権者に配る法律上の手続です。

また、自己破産を申立てる場合には、残った借金について支払いをする必要がなくなる、という手続きも併せて行います。この手続は、借金を返さなくてよい、と裁判所に認めてもらうための「免責手続」と言います。よく誤解されるのですが、「自己破産」と「免責手続」は、法律上は別の手続です。

何をもって「支払不能」にあたり破産が認められるかは、一応の目安があります。現在の借金総額を36で割った時に、その金額が月々に返済できる限度額を上回っている場合が「支払不能」の一応の目安となります。「自己破産」というと、とんでもない借金がある場合にだけ適用されるようなイメージをお持ちかもしれません。しかし、借金を
抱えてしまった方のいろいろな事情を総合的に考慮して「支払不能」にあたるかが判断
されるので、たとえ100万円の借金であっても、病気や怪我、高齢などの理由によっ
て収入が少なく、高額な財産がないとなれば、裁判所に「自己破産」が認められるケー
スもあるのです。

また、「免貴」については、借入原因に、程度の甚だしいギャンブルや浪費などの問題がないか、破産手続に誠実に協力しているかなどを考慮して、「免責」を認めるかどうかを判断します。「免責」が認められれば、原則としてすべての借金を返済しなくてもよくなります。

「自己破産」は、財産は原則として、すべて処分して債権者に配るお金にする、という考え方に立っています。不動産(土地と建物)、預金、生命保険、自動車などが処分されることが多いようです。

しかし、すべての財産が処分されるといっても、文字通りにすべての財産を処分されてしまうと、破産した人の生活のスタートができませんよね。そのような配慮から、一部の財産は処分されないことになっています。たとえば、99万円までの現金や家財道具などは処分されないことが法律で定められています。

また、裁判所の運用によって違いがありますが、価値がそれほど高くない財産については処分しないで済むことがあります。

預金口座も残高が少なければ処分はされません。

生命保険も、解約した時に戻ってくるお金が小さい保険であれば処分はされません。いわゆる掛捨ての保険は処分されません。

地方にお住まいの方には自動車がなくなると生活ができないという方も多いと思いますが、自動車についても、その価値や自動車が必要とされる事情によっては、処分されないことがあります。

家の家具などをすべて洗いざらい持っていかれるイメージを持たれているのであればそれは現実とかなりくい違っていることになります。

本来は処分される財産があっても、どうしてもその財産を維持したい場合に、財産そのものの処分自体を免れる方法もあります。

たとえば、「自己破産」では、退職金の一部も処分の対象になります。

と言っても、「退職金が処分される? 「自己破産」をすると仕事を辞めなければならないのか‥」と慌てる必要はありません。それでは、破産した後に生活ができなくなってしまいますのでそんなことはありません。破産した時に退職していたとしたら退職金がいくらもらえるのか、というシミユレーションをして、その金額の一部を現金で用意することで足りるのです。実際に退職して退職金そのものを債権者に配る必要はない、そういう運用が取られています。

具体的にどのような財産を処分することになるのかは、申し立てをする裁判所によって扱いが大きく異なります。

実は、「自己破産」の詳しい手続きは、法律では決まっておらず、各裁判所の運用で決まっているのです。たとえば、残高が50万円の普通預金は、東京地方裁判所では原則として処分の対象になりますが、大阪地方裁判所では原則として処分の対象になりません。住んでいる地域によって処分される財産が違うというのも、法の下の平等からすると奇妙な話なのですが、それが実情なのです。ですから、「自己破産」については、インターネットの情報をあてにするのではなく、お住まいの地域の弁護士に相談することをオススメします。

北海道から沖縄まで全国に支店がある当事務所では、全国の案件に対応しています。お近くの支店や出張相談に予約を入れていただければ、ご相談をお受けできます。

先程、財産は原則としてすべてお金にして債権者に配られると述べました。持ち家についても財産ですから、原則として「自己破産」の手続きの中で処分されます。

持ち家を手放したくない場合は、「個人再生」という手続きを検討しましょう。

また、「自己破産」してから「免責」が認められるまでの間は、一定の資格や職業に就けないという制限があります。こういった仕事を一時的にも離れられないという方は、後述の「個人再生」を検討します。