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借金が大幅に減額される「個人再生」

借金の額が大きく、「任意整理」では返済しきれない。ところが、事情があって「自己破産」は避けたほうがよい。その場合は「個人再生」の手続きを提案します。

「個人再生」は「自己破産」と同じ「法的整理」なのですが、「自己破産」と比べると、あまり耳慣れない制度かもしれません。

それは「個人再生」の根拠となる「民事再生法」が2000年4月に施行されたばかりの新しい法律だからかもしれません。ただ、ここ数年、「個人再生」ならではの大きなメリットが注目されており、私たち弁護士を通じて、この手続きに踏み切る人は急増しています。

まず大きなメリットとして、高価な財産を手放さずに済むということが挙げられると思います(「自己破産」した場合は異なります)。

一番顕著な例が、マイホームを所有していて、これを手放したくないというケース。「個人再生」では「自己破産」とは異なり、破産管財人が財産を処分することはありません。

住宅ローンを返済中で、マイホームを住宅ローンの担保にしている場合を考えてみましょう。

先程説明した通り、担保は強いので、「個人再生」をすると、住宅ローンの債権者がマイホームを競売にかけてしまいそうですよね。それでは、せっかく「個人再生」で再スタートをしようとしても、生活の本拠地を失うことになってします。そこで、民事再生法では、住宅ローンを特別に支払うことによってマイホームが競売にかけられるのを防ぐという制度が用意されています。

住宅ローンを特別に支払うこの制度を利用するためには、実際に居住していることや、住宅を所有していることなどの条件があります。また、住宅ローンは支払い続けなければなりません。そもそも住宅ローンの支払いさえも厳しいという方は、残念ながら「個人再生」でマイホームを守ることは難しいです。

住宅ローンを除いた借金の総額が5000万円以下の場合は「個人再生」を活用できます。「個人再生」では、財産を処分されない代わりに、借金の一部は支払わなければなりません。「個人再生」で支払う金額は、その方の借金の総額や財産によって変わってきます。

住宅以外に高額な財産がなく、住宅ローンを特別に支払っていく場合、住宅ローンを除いた借金の総額が、①100万円未満の場合は債務額、②100万円以上500万円未満の場合は100万円、③500万円以上1500万円未満の場合はその総額の5分の1、④1500万円以上3000万円未満の場合は300万円、⑤3000万円以上5000万円未満の場合は総額の10分の1、を返せばよいことになっています。かなり借金を圧縮できますね。

また、「個人再生」では、「自己破産」よりも債権者を不利益に扱ってはいけないという原則があります。たとえば、600万円の借金と200万円の財産がある方が「個人再生」をするとします。借金の総額が500万円以上1000万円未満なので、600万円の借金をその5分の1の120万円に減額し、200万円の財産は処分されない……となるかというとそういうわけにいきません。「自己破産」の場合には本来200万円が債権者に分配されるべきですので、200万円の財産がある時は、「個人再生」でも200万円までは支払わねばならないのです。そして、「個人再生」では、返済する金額を原則として3年間の分割で返していくことになります。

「任意整理」と違うのは、裁判所を通じて法的に借金を減額する手続きであり、これに伴い、すべての債権者を対象にすべきという点。住宅ローンは特別に支払っていくことができますが、逆に言うと住宅ローン以外の借金は特別扱いができません。一部の支払いだけは(たとえば自動車ローン、奨学金など)除外したい、といった融通が利きません。また、「自己破産」と同じように「官報」に掲載されてしまいます。

その一方で、裁判所を介した手続ですから、すべての債権者の同意までは必要ないというメリットもあります。「任意整理」の説明で、一部の業者は弁護士が代理人になっても和解に応じてくれないという話をしました。裁判所に「個人再生」を認めてもらえると、借金を減額して分割払いにすべきことが法律の力で強制されます。故に一部の業者が反対しても手続きを進めることができます。

なお「個人再生」は、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」に分けられますが、詳細については、私たち弁護士にお気軽にご相談ください。