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借りたものを返してはいけない? マイカーはどうなる?

「自己破産」などの「法的手続」では、「債権者平等の原則」(すべての債権者を平等に扱われなければならないという原則)という考えがあります。何度も述べているように、「自己破産」は破産する人の財産をすべての債権者に平等に配る手続きです。一部の債権者を特別扱いすることはできません。

これは、お金を貸している立場から考えれば、理解しやすいと思います。あなたがAさんにお金を貸していたとします。Aさんから「借金を返せない。「自己破産」をする予定なので支払いを待ってほしい」という連絡がきました。あなたは、Aさんがマンションを持っていることを知っており、待っていれば「自己破産」の手続きでAさんのマンションが処分されてその代金が配られると期待して、Aさんに請求するのを控えていました。

その後、Aさんが「自己破産」をします。ところが、Aさんはあなたへの支払いを待ってもらっている間にマンションを売却して、その代金をBさんの返済に充てていたことがわかりました。あなたからすると、「Bさんに返済するお金があるならば、こっちにも支払ってくれ!」という気持ちになるでしょう(ちなみに、こういった場合に備えて、破産法は破産管財人にBさんからお金を取り返す権限を与えています)。

「債権者平等の原則」によると、弁護士に依頼をし、「自己破産」を予定していることを債権者に通知したからには、すべての債権者への返済をストップしなければなりません。私たちは、受任後に「今日からは、一部の方に借金を返すことは悪いことだと思ってください」と案内しています。

すべての債権者というのは、文字通りすべての債権者のことで、業者からの借入れに限られません。家族、友人、知人、お勤め先からの借入れもすべて、業者からの借入と同じように扱うことになります。家族からの借入れがある場合は、家族への返済もストップしなければなりませんから、家族に秘密のまま「自己破産」をすることは難しくなります。

よく問題になるのが、自動車ローンです。「債権者平等の原則」によって、自動車ローンヘの返済もできなくなります。自動車ローンでは、ローンを完済するまでの間は、自動車を担保に設定していることが一般的です。業者は、自動車ローンの返済をしてもらえなくなると、「自動車を返してください」と引揚げを要求し、引揚げた自動車を売却して、その代金を自動車ローンの返済に充てることができるのです。平たく言うと、「自己破産」などの「法的整理」の手続きに何もなしにのっかるよりも、担保を持っていたほうが強いのです。借りた人が「自己破産」する時に備えて担保を設定しているのですから、当然と言えば当然です。

「自己破産」する場合に、「自動車の価値が低いので自己破産でも処分されることはないだろう」と見通しを立てていたのに、「自己破産」手続きの外で業者に自動車を引揚げられてしまうことがあります。生活に欠かせない車であれば困ったことにもなりそうです。

「自己破産」をしようとする人が、自動車をどうしても残したいという場合はひと工夫が必要になってきます。どんな工夫をすればよいのかは、複雑な話になってしまい、ここでは轡ききれないので、弁護士にご相談ください。