なぜ早い?スピード審査のカラクリ

コンピューターが自動的に「融資OK」と判断する

先程の「審査の結果は担当者が決める」という話に、「おやつ?」と思った方もいらっしやるのではないでしょうか。

たとえば、消費者金融などで、いわゆる無人契約機に足を運んで、かなり短時間で(審査が通れば)カードが発行されるケースがあります。担当者が、依頼者のいろいろなデータを見比べて、熟慮を重ねているようには思えませんね。銀行のローン審査と比べると、その時間差・簡易さは一目瞭然です。

最近では、インターネット申し込みで、「10秒で審査します」といったアピールをしている消費者金融もあります。最短で「1秒審査」などという看板を掲げているのにはびっくりですね。さすがに1秒ではどんなに仕事ができる人間でも、データを精査することは不可能でしょう。名前を確認しただけで、1秒なんてあっというまに過ぎてしまいます。

各社はなぜ「早い審査時間」をアピールしているのでしょうか? まさにその理由は他社との競争です。審査に時間がかかると、その間に競合他社にお客さんを取られてしまうのです。

消費者金融各社は、「総量規制」でビジネスチャンスが狭まり、さらに、「過払金返還請求」の多発により経営が苦しくなっています。金融各社にとって、ひとりでも多くの顧客を囲い込む、その競争は、今や熾烈を極めます。

しかし、ここまで素早い審査ができるのはなぜでしょう? 何かカラクリがあるに違いありません。

その答えは「コンピューター」です。

細かい部分は会社ごとに違いますが、通常のパターンは以下の通りです。

  1. 申し込みフォームに情報入力をする
  2. その情報を機械的にスコア化する
  3. その合計ポイントが基準値を上回れば、自動的にコンピューターが「融資OK」という判定を瞬時に下す

みなさんが申し込みフォームに記入する情報については、その情報がすべてそのまま数値としてスコア化されます。基準値に達しているか、即時に判断するためです。最低限のことしか入力していないように見えますが、本当に必要な情報だけを吸い上げて、判定の基準としているのです。

ここで、申し込みフォームで何を入力するか、思い出してみましょう。

  • 住所
  • 氏名
  • 年齢
  • 職業
  • 会社の在籍年数
  • 年収
  • 持ち家か借家か?
  • 現在の住居への居住年数
  • 他社での借り入れ件数と借入金額

    主にこのラインナップだと思います。

    これをスコア化するというのはどういうことなのでしょうか?

    たとえば職業ですが、これは職種によって大きく差をつけられます。もっともポイントが高いのは公務員です。原則として定年までにリストラがない、収入が長期的に安定している、といった点でかなり有利になります(その中でも自衛官は特に高い評価を受けるようです)。

    逆に評価が低い職業は離職率の高い職種になります。

    昔からよく言われているのはパチンコ店や水商売の従業員さんです。

    パチンコ店の従業員さんは住み込みで働くケースもあって、一見、安定しているように思えますが、仕事内容がとにかくハードで離職率が高いと言えます。また、住み込みだった場合、仕事を辞めると同時に住まいも失います。たしかに、お金を貸す側にとってはかなりリスキーな職種かもしれません。水商売の方も同様で、勤務先が転々としがちなこともマイナス要素となっています。

    同じく、カードを作りづらい、ローンを組みにくいのが、いわゆるフリーランスで仕事をしている方々です。

    フリーランスで仕事をしている方は、一般の会社員の平均賃金よりも年収が高いという場合も多いのですが、いざ信用度となると、かなり低くなってしまいます。なぜなのでしょうか? その理由を考えてみましょう。

    カード会社が重要視するのは、「毎月定期的にきちんと返済をしてくれること」です。フリーランスの方は、年収で見れば高収入であっても、どうしても月々の収入にばらつきが出てしまいます。100万円稼ぐ月もあれば、30万円しか入ってこない月もあります。収入が低い月は支払いがきちんと履行されないかもしれない、カード会社にとってこの不安材料は払しょくできません。

    収入が月30万円に落ち込む可能性があるフリーランスの方よりも、年収では下回るものの、単純計算で月に50万円がコンスタントに入ってくるサラリーマンのほうが「間違いなく返済できる」と判断されるわけです。年収が1000万円あるフリーランスの方よりも、年収が600万円のサラリーマンの方のほうが信用度は高い そういう結論になってくるのです。

    フリーランスの方がカードを作りにくい、そしてローンを組みにくい理由は以上述べたようなものです。

    また月給同様に、年収にも安定性が求められます。

    最近、テレビで大ブレイク中のお笑い芸人さんが銀行に審査を申し出て断られる、というケースが見られます。

    「あんなにテレビに出て稼いでいる人でもお金を借りられないのか?」と、愕然とされた方もいるかもしれません。しかし不思議ではないのです。

    年収の安定性という意味で言えば、ここ1~2年でたとえたくさん稼いでいたとしても、その翌年にはどうなるかわからない、という不安材料がそこにはあるのです。

    この状況を解消するには、やはり長くその仕事を続けている、長く高収入を得ているという実績が重要になってきます。

    まだフリーになったばかりの方はすぐカードを作ったり、銀行からお金を借りたりすることはなかなか難しいかと思います。

    残念ながら、持病がある場合も、将来の安定した収入確保に不安がある、と判断されてしまう可能性は否めませんので、その点も考慮要素になってしまいます。

    収人的には申し分のない外資系企業の社員さんも、驚くことに実はポイントが低いと言えます。今、高収入を得ていたとしても、日本企業とは違い、終身雇用制を敷いていないことがネックになってきます。つまり、いつリストラに遭うかわからないということです。数年単位での雇用契約となるので、これは大きな不安要因です。有名な外資系企業よりも、日本の中小企業に勤めているほうが、実はお金を借りやすいという事象が起こっています。

    職業のポイントについては、こういった要素を加味して、公務員なら5ポイント、正社員なら4ポイント、派遣社員なら3ポイント、自営業なら2ポイント・・・といった按配で、職種によって、コンピューターにより自動的にスコアカウントがされるように設定されているわけです。

    ほかの項目についても同じように、収入の安定性を重視して、自動的にスコアカウントがなされるシステムになっています。

    会社の在籍年数や住居への居住年数も、融資の判断に影響します。同じ会社に長く在籍していれば、それだけ信用度はアッブします。在籍年数が長いことが重要視されれば、本来ならポイントダウンの対象となる引っ越しの多さ(居住年数で判断)も、社内での異動が多いことが理由、として審査を通りやすくなるはずです。

    あとは収入と借入れ金額のバランス(もちろん借入れ金額が収入の3分の1をオーバーしていれば、即座に融資NGとなります)などもスコア化されています。

    そして、最終的に結果が出ます。

    ひとつの項目につき最高5ポイント×6項目で30ポイントが満点。20ポイントを超えた段階でコンピューターが自動的に「融資OK」と判断する。このようなシステム、これが「スピード審査」のカラクリなのです。

    「嘘を記入すれば高ポイントを稼げるではないか」などとお考えの方もいるかもしれません。しかし、それはNGです。当然、コンピューター審査のあと、正式に契約書を交わす際に、収入証明沓などの提出を求められますので、そのあたりはしっかりと確認されます。

    適当なことを書いてカードが発行されることにはなりませんし、むしろ自分で新たな事故情報を作ってしまうことになりかねませんので、注意してください。






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